「医療メディエーター」の配置と「相談・苦情対策検討会議」の設立による、医療職が働きやすい環境の整備
医療者と患者家族間の対話推進を目的とし、平成27年4月より県立病院機構5病院に医療メディエーターが配置され、当院では、医療メディエーターを専従配置とした。まずは職員に医療メディエーターの役割を理解してもらう取り組みを行った。医療メディエーターの役割は、医療者と患者・家族の対話推進であるが、病棟や部署ラウンドを行うなどで、気になる情報を早めに収集したり、相談しやすい環境を作るなど、コンフリクトになりうる事柄の早期発見に努めた(※1)。また、予防的な取り組みとして、相談や苦情に関わる職員が情報を共有するためのミーティングを開催していた。このミーティングが、月1回の「相談苦情対応検討会議」(※2)となり、院内で発生している事案の共有をしながら、対策を検討することにつながった。このように、継続的に患者・家族と医療者のコンフリクト案件に介入していったところ、まずは医師からの相談や介入依頼が増えるようになったとともに、苦情になる前から事前相談として相談をする医療職が増えてきた。
(※1)医療メディエーターの立ち位置
組織では、病院長の指示のもと組織横断的に活動をしている。医療メディエーターは、医療職と患者の中立的な立場を保ち、患者と医療職双方の意見を聴きつつ対応している。また、通常は、各部署からの相談に対応しているどのような相談でも何でも引き受けるのではなく、基本は各部署で初期対応をしたうえで、第三者が介入したほうがよいというような事例には介入するようにしている。
(※2)「相談苦情対応検討会議」が設立した経緯
会議体として設立する前段階として、苦情の実態を把握するため、まずは派遣職員も含めインシデントレポートシステムにある「暴言暴力・クレーム報告」を活用し報告を促した。さらに、月1回患者・家族相談に関わる職員からの対応困難事例について「相談・苦情ミーティング」を開催し、情報共有と対応策の検討をおこなった結果、患者家族からのクレームだけでなく職員間の苦情やハラスメントなど多様な報告がされるようになった。このミーティングをさらに組織として問題解決ができるように平成30年12月から「相談・苦情対応検討会議」として正式に院内会議として位置づけた。この会議では、苦情に対する対応フローを作成し、報告内容に対し、緊急的な対応か否か、部署や会議での検討かなど、対応の方向性を決定し、管理者会議で報告している。
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